F10型の現行M5です。M3は「エムスリー」なのに、M5は「エムファイブ」ではなく「エムゴ」が一般的なようです。先代のE60型M5は怒り肩ならぬ怒りヒップ姿で見るからにやる気がみなぎっていましたが、このF10型M5は随分と落ち着いた後ろ姿をしています。が、ぎゅっと詰まっている感が溢れていて、やっぱり速そうです。
スパルタンなMに対して乗り心地の良いアルピナ。高回転型でレーシーなMに対して分厚いトルクで運転しやすいアルピナ。そういう印象を持っていたので、現行のM5がV10エンジンから低速トルクモリモリのV8ターボになると知ったとき、「アルピナとキャラクター重なっちゃうの?」と要らぬ心配をしていました。蓋を開けてみれば、トルク重視になってもスパルタンという評価は変わらずで、アルピナとの棲み分けも問題ないようです。
メーカープロパーに対して高性能モデルの公式(or認定)チューナーという図式はおおよそどのメーカーでも見受けられます。メルセデス・ベンツに対するAMG、BMWに対するM、BMWに対するアルピナ、フィアットに対するアバルト、マツダに対するマツダスピードなど。それらをわかりやすく「プロパーに対する公式(or認定)チューナー」と一緒くたに整理して理解していましたが、それぞれの成り立ちを見ていると、一つとして同様の関係はないのかなとも思えてきました。アルピナはBMWからホワイトボディを提供されてしかもチューナー以上の「メーカー」として正式に認められていますし、ブラバスもスマートと正式に組んで高性能モデルを出しており、そこにAMGの姿がないので興味が尽きないです。一通りまた勉強しなおさねばと思った次第です。
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