モンスターワゴン続きということで、今回はブラバスのコンプリートカー「C-B63S」です。W204型C63AMGのステーションワゴンがベースとなります。このC-B63Sは最高出力が530馬力にまで高められていますが、先日が555馬力のワゴンだったので物足りなく感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、前回はメルセデス伝統のV8コンプレッサーがベースだったのに対し、今回はメルセデスNAの白眉とも言いたいM156型エンジンがNAのままで出力アップされています。ボア、ストロークは同じままで過給もせずに、457馬力から実に73馬力ものアップです。
AMGも507馬力バージョンのエディション507をリリースしていますが、前後関係で言うとブラバスの後となります。しかし、AMGはそれより前に既にML63やS63の156エンジンで500馬力を超えています。どっちが後だ先だというのは外野の茶々にしかなりませんが、こういう部分で「こっちが先に500馬力超えてやった!」などと意識することはあるのでしょうか。少なくとも、ブラバス側はAMGを意識しているはずですし、意識していないとできない仕事だと思います。ブラバス渾身のコンプリートカーがAMGよりパワーが無かった、などという事態は絶対にあってはならないはずで、ブラバスのコンプリートカーに求められているのはAMGではできない過剰さでしょうから。
そして、画像のC-B63Sでもっとも印象深かったのは、音でした。こちらへ右折後に隣をやんわり加速しながら通り過ぎていきましたが、思わず「ホッホッホッホ」と笑ってしまうほど、圧倒的な余裕を感じさせる野太い音でした。やんわり加速していたので音量自体は大きくなく、仮に騒音測定器で計測していたなら50デシベルもなかったかもしれません。音量はその程度ですが、「踏み込んだらとんでもないことになるんだろうな」と確信してしまう余韻がありました。そして、非常にどうでも良いことですが、上で書いた「ホッホッホッホ」をより正確に描写するなら、トップギアでアルファロメオ8Cのレビューをしていたジェレミーが”Listen to it on the overrun”と言って8Cのオーバーレブを響かせた際に見せた表情に近い感じです。同じように顔がほころぶ方も少なくないのではと思われる音でした。
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