フェラーリのカリフォルニアです。一ヶ月でフェラーリに100回遭遇するとして、おおよその肌感覚からその内訳は、カリフォルニアが20回、F430(スパイダー、430スクーデリア含む)が30回、599が20回、458イタリア(スパイダー含む)が20回、他がまとめて10回という具合です。遭遇するエリアがきわめて狭いので、同じ個体に何度も遭遇している可能性は大いにあります。それでも、このカリフォルニアは本当によく売れているんだろうなと常々実感しています。
私が自動車を見る視線はどうしてもドイツ車ベースになりがちですが、そのドイツ車目線でフェラーリを見ると、改めて上等な車なんだと認識します。伊勢湾岸道を走行中、ミラー内の遠く後方に「おや?」と思われる赤い車が現れたので、すぐに走行車線に移動したことがありました。そして、走行車線に入ると同時に、何となく私はフル加速してみました。ちょっとしたイタズラ心から、アクセルぺったんこ。もっとも、ぺったんこでも遅い私の車ではありますが、赤い車は期待に応えるかのように、隣の追越レーンを物凄い勢いで駆け抜けていきました。「フォゥォゥォ~~ッン!!」。カリフォルニアでした。その音に、笑うしかありません。レーシングマシンよりレーシングマシンっぽい音でした。たとえるなら、田原総一朗本人ではなく、田原総一朗のモノマネをする松尾貴史っぽい感じです。変なたとえですが、何と言いますか、レーシングマシンのエグゾーストからレーシングマシンっぽい部分だけを抽出したかのような、いかにもレーシングマシンという音でした。カリフォルニアはV8NAの490馬力エンジンで、0-100km/h加速は3.9秒から3.8秒という幅のある公称値です。これはドイツ車の上位モデルですら青筋を立てて疾走しなければならない速さですが、同じ速さでもカリフォルニアに青筋は見当たりません。どことなく優雅ですらあります。
フェラーリはそのスペックをいちいち他社と比較するものではなく、フェラーリという独立した領域で存在するかのように考えていました。フェラーリってのはフェラーリなんだから、いちいち他と比べるような類ではない、そうわけのわからないことを考えていたわけです。そのため、個別のスペックなどいちいち頭に入っていませんでした。そして、いちいちそのスペックを確認してみると、富士山の八合目から登山を始めるかのような高みにいることがわかります。結局は、基本性能のスタート地点が違うので、真面目に比較しちゃ駄目だなと思って今に至ります。
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