ベントレーの新型フライングスパーです。従来のフライングスパーはコンチネンタルというモデルの中に位置づけられていましたが、新型ではコンチネンタルという冠が消え、シンプルに「ベントレーのフライングスパー」になっています。これまではコンチネンタルの2ドアがGT(GTC)で4ドアがフライングスパーでしたが、フライングスパーが独立したことでコンチネンタルと言えばクーペのGTやオープンのGTCなど2ドアだけを指すことになります。もっとも、独立という表現はフライングスパーからの視点なので、袂を分かった2ドア側から見ると、「由緒あるコンチネンタルの名称は以後2ドア陣営が独占だ」ということに。
従来のフライングスパーはGTとテールランプが似通っていましたが、この新型は別モデルであることを宣言するかのように全く違った表情となりました。従来のフライングスパーに表情が無かったということでは決してないのですが、この新型の後ろ姿は随分と表情を出してきたように感じます。テールランプがいわゆるローアンドワイドに構えられているので、余白部分も含めてまるで眉毛が剃り落とされた何かのような視線すら感じます。たとえはアレですが、そう感じます。
ところで、コンチネンタルGTに続いてこの新型フライングスパーにもV8エンジンモデルが導入されました。画像は二本出しマフラーのW12気筒モデルですが、横8の字の四本出しだとV8になります。このクラスにまで着実に押し寄せているダウンサイジングの波は、この先もっと広範囲に及ぶのでしょうか。ラインナップからW12が消えてしまう可能性もあるのでしょうか。そうなってしまうと、ベントレーに必要な威厳や格というものが…という意識すら破壊するほど環境意識はさらなる高まりを見せるのでしょうか。何となくですが、そこまではいかないのかな思っています。二酸化炭素の排出量はグループとして達成すれば良いので、フォルクスワーゲングループにいるベントレーは本来なら全モデルがW12気筒ターボでも達成できるはずです。問題は、社会的にどう見られるかという点だけ。現時点での常識がこの先どう変わるかわかりませんが、ただでさえ貴重なW12モデルなので、この先も存続してもらいたいものです。
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