【メルセデスベンツ】【四本出しマフラーカッター】

  1. メルセデス・ベンツ


 現行W205型CクラスのAMGです。試乗車ナンバー(水戸)だったので試乗中の一台だったと思われますが、一目で気になったのがマフラーエンドでした。マフラー自体が四本出しというわけではなく、マフラーエンド部分のみ、いわばマフラーカッターとして四本出しになっているようです。このようなマフラーカッター型の四本出しは、

CLA45 AMGや、

A45の

AMGなど、小気味良く快音を奏でる2リッターAMGの専売特許だと思っていたので、新型C63がマフラーカッター型になったのはやや意外な感じがしました。先代Cクラスの

AMGがリフトアップされている姿を下から覗いたことはありませんが、後ろから眺めている限りでは、

マフラーエンドだけの四本ではなく、

それぞれ左右のタイコから

二本ずつ出ている風です。効率性が重視される自動車業界ですから、わざわざ四本で制御せずとも左右一本ずつの合計二本出しマフラーで全てをマネージし、そこに格好だけ四本のカッターを据えるのは特におかしいことではなく、むしろ正常進化なのでしょう。一方で、漠然と日々四本出しマフラー車を眺めていた身としては、いざ「四本出しマフラーの定義はなんぞや」と考えてみると、もうどこまでが四本出しマフラーでどこからが四本出しではないというその境界線がわかりません。出ているところが四本だったらもう四本出しで良いとも思えるのですが、この考えに異を唱える方はいることでしょう。
 2リッター四気筒AMGが出て以降、ベンツの四本出しに関してはエントリーAMGがマフラーカッタータイプとなり、他の大きなモデルでは従来通り、一本一本が機能している四本出しでいくのだろうかなと考えていました。しかし、冒頭のC63を見て、ひょっとすると新しいモデルから順次、出口のみの四本に切り替わっていたのかもと考えてしまいます。GL550に純正で

四本出しマフラーが存在するかは不明ですが、改めてふりかえると

GL63はマフラーカッタータイプに見えました。純正でそうなっているのでしょうか。スワロフスキー仕立てのエンブレムになっているW222型S65 AMGもやはり

マフラーカッターに見えます。こちらも純正で出口のみ四本になっているのでしょうか。しかも、12気筒とは思えないほどエンジン音もエグゾーストも凄く静かでした。そういえば、冒頭の現行C63も凄く静かでした。W221の

S65であれば、

ほんの信号発進だけでもう12気筒が唸っています。これは

SL600でも聞こえてくるあの12気筒そのものの音なので、マフラーが何本だろうが関係ないような唸りです。しかし、スワロフスキー仕立てのS65からはそのような音は一切聞かれませんでした。
 そして、外部チューナーのマフラーに目を遣りますと、オフィスKがカスタマイズしたG63 AMGのデビルスポーツ6本出しマフラーは、サイドからきっちり三本ずつ出ている6本出しマフラーで、音も響いてきます。チューナーなので手間暇と付加価値を示してなんぼということで、これがやがて効率性重視のマフラーカッターになるということはないのでしょう。同じく、ARTっぽくないエンブレムのARTや、ブラバスの各種カスタマイズ車両や、同じくロリンザーのカスタマイズ車両も、マフラーカッターにはならなさそうです。WALDのブラックバイソンはデザイン重視で出口のみ四本となっているようですが、通常のカスタマイズではやはりカッタータイプではなさそうです。さらに、AMGであってもブラックシリーズに限っては、四本それぞれが機能してそうな四本出しのままで継続するのだろうと思います。インハウス究極のチューニングモデルであり、ジキル博士亡き後のハイドだけを担っているようなブラックシリーズなので、効率性に背中を向ける姿勢を見せてもらいたいという気もします。こうして勝手に四本出しに時代の流れを感じていると、先代ML63が見せる車体の底が抜け落ちんばかりのタイコ丸出しの四本出しが、妙に懐かしく思えるものです。四本出し自体が時代遅れになってしまうことはないとは思いますが、高出力モデルでの四本出しの着地点がどういう形態になるのか、まったく予想がつかない進化を楽しく感じています。

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コメント

    • Yuuki3710
    • 2016年 8月 23日

    AMGの63はすべてきちんと4本出しだったと思います。
    W205のC63もマフラーカッターの奥できちんと4本にわかれているはずです。
    しかし年式によって異なりますがG63だけは左右各1本の計2本出しになったりと、、、(排気が後部座席に乗り降りする際に足にかかるため。ストッキングを着用していたりする場合はそれが溶けてやけどする等のことがあったみたいです。)
    45になるとマフラーカッターだけが4本ルックになった気がします(あまり覚えていない)
    65もW221もW222もきちんとパイプが4本の4本出しです。
    ところが同じ12気筒でもS600やSL600は4本出しではなく左右合計2本出しになります。
    最近はC450やC43等イマイチよくわからないモデルも増えて変更の多いメルセデスですからこれから変わっていきそうです。

      • admin
      • 2016年 8月 23日

      Yuuki3710様、コメントありがとうございます。

      W205のC63についてですが、
      無印のC63はマフラーカッターの奥では四本ではなく二本出しとなっています。
      C63Sの場合はマフラーカッターの奥でもちゃんと四本出しとなっています。

      記憶違いだといけないので現在も無印のC63が二台展示されてある
      ヤナセ戸塚店に電話をしてマフラー奥のタイコ部分まで確認してもらいましたが、
      やはりマフラーカッターの奥では左右それぞれ一本ずつの二本出し仕様となっており、
      無印のC63に関しては四本出しはマフラーカッターによる飾りであるとのことでした。

      C63Sについては三本杉陸橋のヤナセで展示車を見てきましたが、
      こちらはカッターの奥でもちゃんとした四本出しでした。

      無印もSもベースは同じ177型の4リッターV8なのに、
      片や四本出しルックで片やちゃんとした四本出しと違いが生じるのは興味深いです。

    • 銀玉大将
    • 2019年 2月 02日

    C63S 購入してショックだったのは 始動音のショボさと、マフラーエンドでした。
    前のM156エンジン付きのC63の始動音は 格別でした。
    やはり 丸型4本出し・・・これに尽きます。

      • admin
      • 2019年 2月 03日

      銀玉大将様、コメントありがとうございます。

      M156は本当に特別、格別だと思います。

      私は4本出し好きが高じて今はX5Mに乗っており、Mボタンでパワーモードにするといい音になるのですが、M156の特に

      Cに遭遇して63の音を聞いていると、やはりX5Mは4.4リッターなりの音だなと感じます。BMWならではのおとなしさとでも言いましょうか。

      M156について世界中で何度となく言われている言葉ですが、よくあのようなエンジンを作って世に出せたものだと思います。周囲を睥睨するような音で、あのエンジンならではの突き抜けた世界観をいやおうなく見せつけられます。

      そのため、M156に関しては、エンブレムチューンか否かを見分けるにはもうボディの子細を眺めるよりも窓を開けて近づいて、

      耳を澄ませた方が早くなりました。

      ちなみにC63Sについてはメルセデスベンツコネクションで何度か乗らせてもらい、わずかな時間内で色んな運転を試させてもらいましたが、当たり前ですが素晴らしい野獣でした!

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