【ランボルギーニ・カウンタック5000クアトロバルボーレ】

  1. ランボルギーニ


 ランボルギーニのカウンタック5000クアトロバルボーレです。スーパーカーブームをリアルタイムに知らない私でも、カウンタックが特別な存在であるという認識を当たり前のように抱いていました。車に関心がなかったときの私ですらそのように認識していたので、日本列島挙げての相当なブームだったのでしょう。各種イベントの展示車両でカウンタックを取り巻く様子を見ていても、スーパーカーブームから40年近くが経とうとしている今なおブームの余韻が去っていないことを実感します。
 カウンタックは大きな自動車イベントだけでなく小さな草の根イベントでもその姿を見かけるので、私にとってもまじまじと眺める機会に恵まれたスーパーカーのひとつです。ご厚意でシートに座らせてもらったこともありますが、外から見るよりも遙かに狭く、窮屈でした。今日の画像からも一目瞭然ですが、後方視界はまさに絶望的で、シートに座ってどこを向いてもその狭さに圧倒されました。ただ、私はスーパーカーを実際に走らせたことがないので、実際に走らせればこのような窮屈さからこそ広がりを見せられるスーパーカー独自の大きな世界があるのだろうと、思い出したように空想に興じます。
 そして、このカウンタックについて私が最も驚いたのは、空力に難があるということでした。カウンタックという漫画(梅澤春人)を読んでいて初めて知ったのですが、いかにも空力を意識した結果のデザインに見えて、実はCd値が0.47もある空力おろそかなデザインだったなんて、意外過ぎる事実でした。最高速300km/hという公称値にも届かなかったそうですが、ではカウンタックが色褪せて見えるのかとなると、そういうこともありません。ミニカーやプラモデルでは依然として定番車種ですし、レストアやレプリカの話題にも事欠きません。イベントの顔となることもしばしばありますし、先述の「カウンタック」という車種そのものをタイトルにした漫画のように、ブームの遙か後に連載が始まったのに400万部を超えるヒットになるなど、物語・エピソードに溢れた車でもあります。そして、今まさにテレビで大和ハウスのCMが流れていましたが、松坂桃李さんが乗るカウンタックには明らかに華があります。こうしてあらあら振り返ってみると、ブームというよりはカウンタックという一つの事件だったのかもしれません。当時を知らないので(いつものように)好きに書いてしまうわけですが、ブームというよりは、事件だったのでしょう。

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【成長期をもう一度】

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