アウディのS1です。このS1が231馬力と知ったときには少し驚きました。馬力比で最も四本出しマフラーの設定が多いドイツ車メーカーはアウディだろうと思ってはいましたが、231馬力のS1はその最たるモデルで間違いないことでしょう。X5MやX6Mの555馬力を四本出しの基準にしていた時期が長い私には、まだ馬力基準の視点が染みついているようです。
そもそも、アウディのSモデルには四本出しマフラーというアウディ独自のルールがあるため、このS1も四本出しになったのでしょうけれど、そう書いてしまうと味気なくなるので、他の表現を探します。Sモデルの厳密な定義が見つかりませんでしたが、一部表現として「走りのスピリットを余すことなく受け継いだ」ラインナップと公式HPにありますので、それなら、Sモデルルールではなく「走りのスピリットを余すことなく受け継いでいるから四本出しマフラー」と考えたほうがわかりやすいです。ただの言葉遊びですが、こっちのほうがしっくりきます。
今どきマニュアル設定しか用意していない時点でSのエントリーモデルとしては十分な意気込みを感じますし、エントリーモデルと呼ぶのもはばかられそうです。A1やA3を見るとそのベース車両となるフォルクスワーゲンのポロやゴルフを思い浮かべがちですが、日本にほぼ同時期にやってきたS3&ゴルフRとは違い、このS1に相当するポロRの市販車はありません。今後ポロRが発売されるかどうかはわかりませんが、「お先に失礼!」とばかりにS1だけが作られています。4WD化するためにサスペンションの構造まで変えたようですが、その辺の詳しいことはよくわかりません。ただ、純粋な兄弟車は存在せず、S1だけに注ぎ込まれた数々を考えると、贅沢な一台と言っても良いのでしょう。そして、そんな詰め込まれ具合までをも考えると、四本出しマフラーも似合って感じられます。
この記事へのコメントはありません。