愛国者団体(いわゆる右翼団体)の街宣車両です。とっさに車種がわからなかったのですが、調べてみると日産のエルグランドでした。街宣車に関する私の最も古い記憶は中学時代にさかのぼるのですが、部活動内に物凄く街宣車好きな同級生がおり、部活前や部活後に近くの道路を街宣車が通ると、とても楽しそうに見ていたのを覚えています。政治信条は関係なく、ただ賑やかな車両というだけで楽しんでいるようでした。
当時の私は車に何一つ興味がなかったので、楽しんでるその様子自体をただ面白がっていましたが、今こうして改めて街宣車を見てみると、同級生が楽しんでいた理由がわかる気がします。一種のカスタムカーとして見ていたのでしょう。全体的に装甲車風の味付けが施されていますが、といって装甲車そのものというわけでもありません。ルーフにはぐるりとガードが施された拡声器が付き、国旗や旭日旗を掲げ、時には赤色灯ならぬ黒色灯を備えた車両まであり、さらにはマットブラック車両も走っています。しかも、拡声器からは賑やかな声が響き渡り、軍歌(?)的なBGMも備え、後方に警察車両もスタンバイしているのですから、カスタムカー視点で見てもオリジナリティあるジャンルに映ります。
ちなみに、街宣車両はてっきり国産車ベースばかりなのだと思い込んでいたのですが、
GMCの街宣車が走っていたので驚きました。アメ車で街宣車というのは意外です。そして、ボディ側面を見ると、GMCではない姉妹車シボレーの”ASTRO(アストロ)”とあります。ボンネットを走るコーチラインに目を遣ると、”Royal Star(ロイヤルスター)”の文字もあります。よくわからないので調べてみてもやはりはっきりしなかったのですが、この頃は正規輸入が始まって間もなくでまだ並行も盛んにおこなわれており、しかも「コンバージョンモデル」といういわばカスタム車なのに正規輸入車という位置づけの車両まであり、それぞれが市場で混在しつつ人気を集めていたようです。GMCとシボレーの線引きがあやふやだったような空気を感じますが、あやふやなままで良いんじゃないかと思えてきます。ドイツ車ばかりを見ているとこのような線引きは厳密にしたくなるのですが、アメ車を見ているとこれで良いんじゃないかとなるのが不思議なものです。きっとこれもアメ車の魅力なのでしょう。
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