日産のクルーです。ほぼタクシー専用車と言っても良いクルーですが、つい最近までフロントとリアが頭の中で一致していませんでした。いつも後ろ姿ばかりでクルーに想像を巡らせ、そのまま後ろ姿で完結していたからに他なりません。「そういえばクルーってどんな顔してるんだろう」と確認したのが運の尽き、とまでは言いませんが、後ろ姿から繰り広げられていた想像とは相容れない程ちゃんとした顔つきをしていて驚きです。
普段アイポイントが高いSUVから見ているせいかもしれまんが、クルーの後ろ姿はやや尻すぼみで垂れ下がっているようでもあり、テキパキと走る姿を想像しづらいほど、のんびりとした印象が漂っています。ひと昔前の言葉で言うなら癒やし系でしょうか。下手な昭和のタクシーよりも昭和っぽい姿をしています。色んなタクシーを頭の中で思い浮かべる際、クルーだけは他の車種よりもやや遅めの速度で思い浮かべてしまいます。がつがつお客さんを獲りに行かず、争いになったら一歩退いて譲っちゃう、そんな想像をかき立てる後ろ姿なのに、フロントは堂々としています。実は、クルーがローレルとセドリックのニコイチ的車両だということを知りませんでした。クルータクシーだと自覚して乗ったのは一度きりで、新大阪駅での近距離専用乗り場からのみですが、その際も後ろ姿しか見ていませんでした。流しているタクシーでクルーだと知らずに乗っていることが何度もありそうです。
ちなみに、そのクルーだと自覚して乗った一度きりのタクシーの運転手さんは、クルーについて浪花節的な愚痴をたくさん披露してくれました。その浪花節だけをそのまま書いてしまうと問題がありそうですが、カッコ内で私なりの補足をさせていただくと、「タクシー専用車なんて設計が手抜きですよ手抜き!(←今考えればこれがニコイチのことを指していたのだと思います)」だとか「これ見てくださいよ、こんなに窮屈なんですよ、ドアがすぐそこ!(←ドアと体との間に握り拳を入れて熱弁され、その時は確かに狭そうに見えましたが、5ナンバー車としてはそんなものではないでしょうか。幅190cm近い私の愛車もドアがすぐそこなので、ドア上部が肘掛け代わりになりますし)」あるいは「お客さんが『クルーか』と残念がったりするんですよ!(←おそらく後ろ姿のせいでしょう。どうしてものんびりした印象があるので、急いでいるときに急いでくれなさそうに思われるのかもしれません)」など。あとはボディカラーも影響しているかもしれません。上記の画像のボディカラーと
ブラックとでは立派感が違って見えます。色が違うだけなのに面白いものです。こうしてクルーについてつらつら書いてみると、ふとロンドンタクシーが頭を過ぎりました。のんびりしたレトロなデザインで、タクシー専用設計車両。ロンドンタクシーが現地でどのような視線を注がれているのかはわかりませんが、クルーに向けられる視線とそうかけ離れてはいないのかもしれません。
何となく目に留まったのでコメントします。
同じ日産のセドリックタクシーは車内もトランクも広いし、シートも大きくできています。トヨタのコンフォートもクルーより角ばっているので車内は広くドアの閉まる音も高級感があります。運転手さんはそれを知っていて愚痴ばかり言うのでしょうね。