BMWのi3です。最近よく見かけるようになりました。近所で既に納車されている方がいるので何度も同じ時間帯に遭遇する一方で、ディーラーに行くと諸先輩BMW車に混じってリフトされた姿を目の当たりにしたりもします。さらに、遠出をしてもやはり視界のどこかでその姿を確認することも珍しくなく、じわりじわりと生活に浸透してきている未来カーです。「未来カー」と当たり前のように書きましたが、従来の電気自動車に比べてi3を未来カー然たらしめている最も大きな要素は、やはり素材感です。
i3のボディ外板に鉄は一切使われず、代わりにカーボンファイバー強化樹脂で構成されています。見るからに鉄っぽさがありません。鉄を前提とした塗装上の制約もないせいか、アイオニックシルバーやソーラーオレンジなど非常に未来感を強調できるボディカラーが選べます。といっても、画像のカパリスホワイトはi3のカタログカラー中で最も未来感を抑えたボディカラーとなっています。もっと言うなら、色だけを見れば従来のガソリン自動車に最も溶け込めそうな色でもあります。しかし、素材が従来と全く異なるがゆえに塗装だけでなくデザイン上の制約も取り払われたようで、結局は一目でわかるほど従来の自動車とはひと味違うデザインとなっています。特に面白いのが、顔つきです。
このi3の顔つきを一言で表すにはどのような言葉を使えば良いのかがわかりません。思いつくままに印象を書き連ねると、「チョロQみたい」「わがままそう」「生意気そう」「ふてぶてしい」「フグみたい」「人の言うことを聞かなさそう」「自分の考えを曲げなさそう」「意志が強そう」「モグラ叩きのピコピコハンマーでパコッと叩きたくなる」などなど。おおよそ自動車を形容するには不釣り合いな言葉のオンパレードですが、それだけキャラ立ちの良い顔つきとも言えます。愛嬌のある小生意気な顔とでも言いましょうか。ただ、どう表現するにせよ、鉄板ボディでは表現できなかった顔であることは間違いありません。そして、iシリーズの量販第一弾としての役割を背負っていることも考えれば、意志の強そうな顔つきも狙った上でのデザインなのでしょう。さらに、この素材感がもう一つ大きく貢献している点が、「ガソリンっぽさ」を消し去っていることです。電気自動車なのにガソリンっぽさが漂う他メーカー車もある中、これだけガソリンっぽさを消し去ることができているのは、カーボンファイバーボディの恩恵でしょう。内容も見た目もガソリンの雰囲気を感じさせない車がもっと増えてくると、ガレージや駐車場の概念も変わってくるかもしれません。「電気自動車の方は室内までお進みください」みたいな。他にも思いも寄らぬ影響を及ぼしそうなので、その変化を見落とさないように楽しくアンテナを張り巡らせたいと思います。
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