【BMW新型X5試乗】【ディーゼルかガソリンか】

  1. BMW


 BMWの新型X5です。三代目のF15型となります。新型の納車が始まって半年近くになるので、街中でもぽつぽつと姿を見かけるようになりました。ただ、この後ろ姿だけではまだディーゼルかガソリンかの区別ができません。E70型X5であればディーゼルの35dには「ブルーパフォーマンス」のバッヂがありますが、新型ではリアのブルーパフォーマンスバッヂはなくなっています。また、E70ではダイナミックスポーツパッケージのようにディーゼル特有のエアロもありましたが、F15ではディーゼル特有のエアロ設定はまだ確認できていません。ということで、ひとまず「フェンダーが張り出してるからMスポだろうな」と当てずっぽうのままにカタログを確認したら、この点は当たっていました。こういう「ふんばってる感」はMスポ独特の雰囲気です。そして、MスポとXラインでマフラー形状が違うことも今知りました。
 ただ、ディーゼルにもMスポやXラインのパッケージはありますし、ディーゼルもガソリンもパッケージごとの外寸は同じ、つまり装着するパーツも同じだと思われるので、やはり真後ろから見るだけではディーゼルかガソリンかの区別は難しそうです。しかも、ディーラーの方にうかがったところ、X5のオーダーはディーラー内トータルでディーゼルとガソリンが半々とのことなので、その点でも同じような立ち位置になっています。パッケージを共通化させた背景には、こういうシェアの事情もあったのかもしれません。さらに言うなら、ガソリンモデルでも35i直6か50iV8かの区別が難しくなっています。そもそも、E70型X5のデビュー当初は、スポーツパッケージ(後のMスポ)であるか否かに関わらず、「丸いマフラーが直6エンジン、やんわり四角いマフラーだったらV8エンジン」とわかりやすい設定でした。しかし、いつからか直6であってもオプションで四角いマフラーを選べるようになり、後ろから見る分にはV8モデルも直6モデルも同じになっています。後ろ姿ウォッチャーとしては「これはV8!」なんて真後ろから断言できない状況になっているので、悩ましいところです。
 ところで、このF15型X5については35iのxLineを試乗したのですが、なぜかいつもより運転が上手くなった気がしました。試乗を開始して数分で、「ああ、これが雑誌の試乗インプレッションでよく表現される、運転が上手くなった気がするというアレか!」と、実際に運転が上手くなっているわけではないことも合わせて気付いた次第です。ただ、初めて乗るのに本当に取り回しが楽過ぎることに加え、ぼーっと気を抜いてても雑談をしていてもちゃんと道の真ん中を走れていたので、上手くなったと錯覚するのも仕方ありません。油圧式パワステ世代と比較するのも無理があるかもしれませんが、私が普段乗っている車との違いをあれやこれやと考えながら試乗していました。全長は5メートル近くまで伸びた挙げ句、車幅もノーマル状態ですら194cmという新型X5です。私が乗っている車より二回りほど大きいのですが、とにかく楽でした。電子制御を中心に、進化しまくっているのでしょう。勝手な推測ですが、電子制御なのかチューニングなのか味付けなのか補助なのか見切りに関わるデザインなのかはわかりませんが、ただ真っ直ぐ走らせているだけであっても、相当な付加価値に支えられていることは間違いありません。逆に言うと、私が乗っている油圧式時代の車は、とてもドライバー任せで属人的な車なのでしょう。さらに、私の世代とはインテリアのデザインコンセプトも全然異なっており、新型のインパネのほうが間違いなくレザーで映えます。あと、ディスプレイも凄く鮮やかな発色になっていました。iDriveは相変わらず操作しやすくて、ナビ画面をどんどん広域化していったら最終的には綺麗な地球が表示されました。確かにその時、地球上を走っていたことには相違ないのですが。その後、試乗を終えて自分の車に戻ったら、シートの「ミシッ」という音が出迎えてくれました。

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