フェラーリのFFです。FFとはフェラーリ・フォーの略だそうで、じゃあフェラーリのFFですというのは冗語になってしまうのではないかと思うのですが、フェラーリ公式ホームページでも”Ferrari FF”と表記しているので、細かく考えなくて良いのかもしれません。普通の工業製品であれば商品名があやふやというのはあり得ないのですが、フェラーリだからOKという具合でしょうか。
このフェラーリFFを初めて雑誌で見たときには、正直なところ前後のバランスがもったいないなと思ってしまいました。雑誌を見ながらまず指で後ろ半分を隠しました。そして、前側だけを見ればかっこよかったです。次に、同じく指で前側を隠して後ろ半分だけを見てもかっこよく、しかし指で隠すことなく全体をそのまま見ればアレ!?となってしまう、不可思議なデザインという印象でした。また、フロントウィンドウの付け根部分、ちょうどワイパーあたりを前後の中心にしてまさにこれから真っ二つにへし折れようとしているような、そんな不安定感も雑誌画像にはありました。しかし、公道で実際に遭遇するようになるとそんなことは微塵も感じさせないデザインでした。やっぱり車ってのは(車以外でも)画像だけじゃなく実物を見ないとわからないものだなと再認識した次第です。ランボルギーニのウラカンなどはもうクレイモデルを一切使わずにコンピューター上のCGからのみ起こして完成となったデザインですが、このFFは伝統的でアナログなデザイン行程の妙が感じられる素敵な一台だと思います。
ところで、このFFはフェラーリ初の4WDということでも物議を醸しましたが、私はFFのトランスファーユニットがどれくらいで寿命を迎えるのかが気になっています。私が乗っている4WD車はパワーもトルクも大したものではなく、ささやかに走行距離を伸ばしていたのですが、ミッションより先にトランスファーが寿命を迎えてしまいました。ディーラーの方いわく、「回す方は寿命短いですよ」とのこと。このFFは660馬力もあり、しかもトルクは69.6(あえて単位略)です。何より、街で遭遇するたびに良い音を奏でている、つまり回している方が目立ちます。もちろんパワーに応じた強固なユニットだとは思いますし、初の四駆ということでマージンも大きく確保しているはずですが、どれくらい持つものかと興味津々であります。
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