光岡自動車の大蛇(オロチ)です。エヴァンゲリオンのメカニックデザイナーである山下いくと氏がデザインしたオロチがニュースになっていたので、それではと、採り上げてみるオロチです。何年経っても色褪せない眼力ある顔つきをしていますし、いつ遭遇しても「低い!」とその都度思ってしまうほど、地を這うようなスタイリングをしています。カタログ値の全高は118cmですから、SUVはおろか普通のセダンでも味わえない独特の眺めが楽しめるコックピットなのでしょう。
そして、このオロチを見ているとつい「スーパーカーとは何ぞや」というスーパーカーの定義を考えさせられます。考えさせられるというより、すでに漠然と構築されているスーパーカー観を揺さぶられると言ったほうが正確かもしれません。その時代では持てあますほどのパワーを備えていること、すなわち「速さ」がスーパーカーを支える一つの柱でもありますが、このオロチはそんなことはどこ吹く風で、ただ「スペシャルな気分を味わえること」を重視した車作りをしています。光岡自動車自身ではオロチを「ファッションスーパーカー」としていますが、確かにファッションとして誰でも気軽に運転できるスーパーカーに違いありません。また、過剰なパワーを持つエンジンを採用していない点を逆説的に考えるなら、過剰なパワーの存在感や速さに頼ることなくただ見た目だけでスーパーカーとして主張できているということでもありますので、ファッションスーパーカーという存在も侮れないのではないでしょうか。
ところで、以前カタログに載ってないV8エンジン搭載のゴーストガリューを記事にしましたが、いまだV8エンジン搭載のゴースト・オロチは確認できていません。たぶんどこかに存在しているとは思うので、見てみたいものです。そもそもノーマルのV6モデルでも四本出しなので、遭遇しても気付けないでしょうけれど。
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