BMWのi8です。日本への割り当てがどの程度あるのかはわかりませんが、週末ともなると日に三台のi8に遭遇することもありますので、納車は順調に進んでいるのでしょう。ボディカラーは標準で4色ありますが、最も未来感がほとばしっているのはこのアイオニックシルバーかもしれません。どの色だろうと造形的に近未来的ではありますが、アイオニックシルバーだとSFの世界までをも彷彿させます。
昨年中は二台のi8が展示車両として日本全国のディーラーを転々としていましたが、うち一台が6月2日から東名横浜BMW本店で展示されるとの話を聞き、早速6月2日に足を運んで間近に見てきました。この手の跳ね上げ式ドアでやや苦い記憶があるのは、SLS AMGです。慣れていないこともあってか、ガルウィングを閉じようとした際、降りてくるドアで頭をぶつけそうになったからです。しかし、i8の場合は程よいタイト感のあるコクピットながらも、
シザードアで頭をぶつけるような心配はありませんでした。タイトだけれども天地方向の狭苦しさはなく、これならGTカーとして長距離クルーズも楽しめそうです。そして、後部座席を発見して「お、4シーターだったんだ」と後席に乗り込んだのですが、
私の体格的な点を考慮せずとも大人は想定されてないスペースでした。もっとも、いつからかこの「無理だった感」を味わうためだけに無理とわかっている後席ほど乗り込むようにしているので、この手の車両に対してきっちり4人が乗車できるべきだという考えなど持っていません。
本ブログではi8を便宜上「スーパーカー」にカテゴライズしていますが、i8は従来のスーパーカーの延長線上にあるとも言えるし、ないとも言えます。本サイトのほうでも以前触れましたが、i8ほど地球環境を極端に重視し、素材レベルから見直しを図っているスーパーカーも他にありません。生産設備の電力を風力・水力の自家発電でまかなうなど、i8の背景にある思想はとても従来のスーパーカーのそれではありません。それを踏まえると、デザイン一つを見ても、感じ方が異なってきます。一般的なスーパーカーのデザインはもちろん速さを追求した結果の空力ボディですが、i8のデザインを見ていると、「ガソリンを一滴も無駄にしないために研ぎ澄まされたデザイン」などと考えてしまいます。テールランプの独特の形状も、スーパーカーにありがちなデザインのためのデザインではなく、「風に逆らわないよう、風に道を譲った結果として生まれたデザイン」にも見えてきます。i8とi3はBMW iの初代メンバーなので、まさにここが出発点です。これから進化も成長もあるのでしょうから、楽しみでなりません。
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