【アウディSQ5のダミー偽マフラーが新型S4に採用される可能性も】

  1. アウディ

 今回のモーターショーにあたって、アウディブースでまず聞きたかったことは

・なぜ新型SQ5までダミーマフラーなのか
・BMWの「xDrive」とアウディ「クワトロ」の相違点の変遷

でした。時間があればさらに聞く予定でしたが、モーターショーの取材はとにかく時間が足りません。

 ダミーマフラーについては初代SQ5が本物の4本出しだっただけに、新型でまさかの安っぽいダミーマフラー化したことについては、
このような軽自動車のなんちゃってマフラーと同レベルで、色んなフェイクマフラーが思い出されてとにかく気になっていました。

SQ5のダミーマフラーは環境への配慮

 アウディブースに足を運んでSQ5の近くにいたスタッフの方に早速聞いたところ、SQ5のマフラー隠し(厳密にはエキマニ隠し)は新型Q5と同じく、「環境へ配慮している」というメッセージを一貫させるためだそうです。これはBMWが先々代のE65型7シリーズとそのさらに前のE38型でやっていたのと同じことですが、ちなみに7シリーズはもうマフラー隠しを止めています。

 新型SQ5の後ろに回り下からのぞき込むと、本当のマフラーはやはりダミーマフラーの裏側の外から見えない位置で、ひっそりと真下を向いていました。スタッフの方が言うには、マフラーを真後ろに向けて排気させるよりは、ダミーマフラーの奥で本当のマフラーに真下へ排気させるほうが人にも車にも環境にも優しいとのことで、たしかにこれは優しいといえば優しいです。

 たとえば、後方を向いた排気口が人の頭くらいの高さにあって、しかもその排気口から見事な黒煙が漂っている
このようなディーゼル車の後ろを走っていると、「この車の後ろ走りたくないなあ」「間に誰か入ってくれないかなあ…」と車間距離を広め広めに取ってしまいますし、あるいは自分からレーンチェンジして脱出したりもします。バイクや自転車に乗っている方々なら、このような車両の後ろにいると真剣に健康被害を考えてしまうことでしょう。このようなマフラーは明らかに周囲にも環境にも優しくありません。

マフラー(エキマニ)は格好だけでも重要な存在

 しかし一方で、内燃機関車にとってのマフラーというのは、依然として「パワー」や「スポーティネス」、ときには「洗練」をも象徴する重要なエクステリアパーツです。
 4本出しを見ればそれだけでパワーを感じ取りますし、それに見合った音や速さがあればもう言うことありません。

 当然、このようなマフラーが見あたらない車両からは、パワーや速さが大したことないという印象を受けます。

 この「環境への配慮」と「パワー感&スポーティネス」との妥協の結果が、偽マフラーとなっているのでしょう。考えに考えた末の決断なのでしょうが、まだ偽マフラーすら一切排除して排気を一切感じさせないデザインのほうが潔かったようにも思えますし、ニセモノ感がやはり残念です。アウディのスタッフの方自身もこのSQ5を初めて見たときは寂しい感じがしたそうですが、しかしこれはもうヨーロッパでは当たり前の潮流になってきているとおっしゃっていました。今はダサいダサいと言われていても、これが当たり前になるそうです。

 そして、現時点で間違いなく言えるのは、従来のマフラーが約束されているのは
R8と各RSモデルだけとのことです。「え、新型S4もなんちゃって化しちゃうんですか?」と思わず聞き返してしまいましたが、その可能性は否定出来ないそうです。一応は市場の声も参考にするそうですが、それにしても標準グレードはともかく、Sモデルくらいは4本じゃなくても良いので本物のマフラーを残しておいて欲しいと思いました。

新型SQ5のマフラーを4本出し化するドレスアップ

 新型SQ5というのは、BMWでいうならX3の3リッターである35iMスポーツとなります。つまり、スポーティかつ余裕のあるパワーを備えたグレードです。もしも35iのMスポにマフラーが見あたらなかったら、あまり売れないことでしょう。ましてやダミーマフラーでマフラーがないのにマフラーカッターだけ存在していたりしたなら、ますます売れなくなることでしょう。きっと、ハーマンやシュニッツァー、3D Designあたりはドレスアップキットを用意してくるに違いありません。

 ということで、このダミーマフラーが標準化してしまった新型SQ5については、きっとABTあたりがちゃんとした四本出しを用意してくれると思います。

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